米マイクロソフトのネット閲覧ソフト
　「インターネット・エクスプローラー（ＩＥ）」
　に未修正の欠陥が見つかり、波紋が広がっている。
　欠陥により、利用者のパソコンが乗っ取られる
　恐れがあるとして、マイクロソフトは被害の
　回避策を発表した。

　ＩＥは国内ではシェア約５割の閲覧ソフトで
　利用者が多い。専門機関は、パソコンに詳しくない
　ユーザーに対しては、当面の対策として一時的な
　使用中止も呼びかけている。

　マイクロソフトがＩＥのバージョン６から
　最新版の11までに未修正の欠陥があると公表した
　のを受け、米国土安全保障省が４月28日にＩＥの
　利用をやめるよう警告していた。

　マイクロソフトは30日までにＩＥ９～11について
　攻撃を確認しており、対策をまとめて公式ブログに
　掲載している。

　(1)パソコンの安全性（セキュリティー）監視を
　強化する「拡張保護モード」を取り入れる
　(2)マイクロソフトが提供するセキュリティーの
　脆弱性を緩和するキットを導入する
　(3)基本ソフト（ＯＳ）の一部機能を使えなくする、
　の３つだ。

　選択肢としては、米モジラ財団の「ファイヤー
　フォックス」や、米グーグルの「クローム」など
　がある。

　このセキュリティー上の欠陥を発見した
　とされる米セキュリティーソフト会社の
　ファイアアイは、これは米国の金融機関や
　防衛関連企業に対するハッキング作戦の
　一部だと述べた。これ以上の詳細な情報は
　提供しなかった。ファイアアイによると、
　主にIEのバージョン9～11が攻撃の標的に
　なっている。

　マイクロソフトは2001年にリリースした
　XPのサポートを今月8日に終了した。

　XPやXPのブラウザーにはセキュリティー
　パッチ（修正ファイル）などの更新ソフト
　は提供されないため、約3億台あるとされる
　XP搭載機の利用者への影響が憂慮される。

　米セキュリティーソフト大手シマンテックの
　調査担当者、クリスチャン・トリプッチ氏は
　「XPユーザーはもはや安全でない」と語った。